三つ巴③
惜しい事をしたかと残念な気持ちでいると、表情に出てたか??
マキが顔ピクってた気がする。フェイスピックか。こえー。
こいつエスパーなんか?おれの表情で全てを悟ってしまうんか?などと思っていると
「とりあえず三人で仲良くできそうだし、二人とも時間あるなら三人でどっか行きません?私今日休みなんです。」
徒歩できたため、車取り行ってきてドライブかなんか行く?と聞くと
「じゃあ三人で車まで行ってそのまま出掛けましょう!」
という。なんかユミペースだなこれ。カフェを出て車へ向かう。
道中なんか意気統合したのかキャッキャ仲良くしている。
女子仲良くなんのはえー。輪に入るの一生無理です。などと思っていると蚊帳の外にならないようにと、ユミが上手く話を振って来る。こういう気遣いとても好き!あっいかんいかん表情に出てしまったかなどと思っていると、マキはあまりに楽しいのか気にしてない様子。男のオレよりゾッコンである。
しかし若干の距離から客観的に見ていると詐欺師いけるよなこれ。てかワンチャン詐欺師あるよな?とか思っていると車に到着。でどこ行こうか話していた。とそこでオレコンビニで飲み物買ってくるから二人で決めといてといい何がいいか聞く。二人はお任せというので、どっちが何を選んでもいいように別々のを買って車へ。
どうやらまだ決まらずキャッキャしている。
先日のマキの様子を頭に浮かべ、どうやら詐欺師説は濃厚なようだ。などと思っていると
「決まらないんでマサシさん決めてください。」
ふむ飲み物買っていた時間なんだっただと。
まぁいいか女子には逆らえん
「ほじゃ一時間くらい走らせたとこに夜景スポットあるけどそこ行く?』
三つ巴②
ちょっと思ったことを言いすぎたみたいだ。
でもマキもそーやん。とか思っていると
「そんな全然化粧も上手くないし、オシャレも全然‥もっとオシャレな人たくさんいるし日々研究してます!」
謙虚もすぎるとなんとやらだろうか。
マキの眉がピクっとなったのを見逃さない。
「私なんてこんな感じなのにー、ものすごく謙虚なんですねー。あまりにキレイでこっちは羨ましくて嫉妬しちゃいますー。」
女の戦い?怖くてついてけん。決めた今日はもう黙ってよ。道中ニヤニヤふわふわしてたのが嘘のようだ。するとユミが言う
「こんな感じなの求めてたんじゃなくて、本当仲良くしたいだけなんです。マキさんは初めて会いますけど、ものすごく素敵でこんな素敵な彼女さんいたら、そりゃ私なんか相手してくれないなって思っちゃいました。で素敵な二人に仲良くして欲しいんです。」
新手のセールスか?コロっといっちゃうぞこれ。マキを見てみると芸能人のようなキレイな人に、ここまでいってもらえたからか、ご機嫌なのが伺える。美人局とか言ってたくせに。
こいつこのまま壺とか買っちゃうぞなどと思っていると
「ユミさん!!私たち仲良くできそう!笑 てか仲良くして!いい?」
オレに聞かれても‥
「いんちゃう?その輪にオレも入っていいんだよね?」
また眉がピクる。眉ピクガール怖いんだよ。
「私は三人で仲良くできたら楽しいなって思ってて、というかそのつもりで今日誘いましたし。」
ならと三人で改めて自己紹介タイム。
ユミは看護職の30歳。地元はこちらでなく地方から来たという。白衣の天使か。ほんまオレを好きとか本当なんか?まぁでも三人で友達なってるし、もうそういう気持ちとかじゃなくなってんかな?
第二章 三つ巴
日程を合わせたある日の昼過ぎ、3人で顔合わせの日だ。
「妙なことになったね。」
そう思う。だが第一印象では悪い人には見えなかったし、案外二人は仲良くなるんじゃね?とか思ってた。
可愛い女子二人に混ぜてもらって、キャッキャするのも悪くないと妄想していると
「何ニヤニヤしてんの?気持ち悪い。」
悪い癖だ。すぐ表情に出てしまう。
いかんいかんと思いつつカフェに着いた。
もう女性はすでにいるようだ。席に着く。
「こんにちは、初めましてユミといいます。突然のわがままごめんなさい。二人とどうしても仲良くなりたくて。一度でいいからその機会が欲しくて。来てくれてありがとうございます。変なやつって思ってますよね?」
彼女はもっと変なのを想像していたのだろうか、顔に書いてある。またユミが思っていたような人じゃなく礼儀正しい、しかも美しい女性で驚いているようだ。
私服姿のユミは仕事中の薄化粧でなく、濃すぎるメイクでもないナチュラルメイクで、またとてもオシャレさんだと男のオレでもわかる。より一層美しさが際立っており、皆目を奪われる。カフェの人達もそう。男性はもちろん女性ですら目を奪われているようだった。
外に出て歩いていると大変だろうなとか思っていた。
だが美しさにばかり目を奪っていられない。
この美しい女性が自分を好きだと言っていたのだ。
夢か妄想だったか!?と思っていると
「こんにちは、初めまして。こんなキレイな人と思ってなくてすごく驚いてしまいました。少し変な人だなーって思っていたので‥笑 すいません。」
マキめっちゃハッキリ言うやん。もう少し濁すとかあるだろ。
「こんにちはー、あの時以来ですね。仕事着じゃないと全然違いますね!また会えて嬉しいです!笑」
マキの視線が痛い。調子乗りすぎたか。
出会い⑥
「キッパリ断るなりなんだり勝手にしてもらえる?」
関心がなくなったのかな?嵐は過ぎたみたいだ。
「うんわかった。」
メールにて、彼女にバレてしまったこと、会うのは難しいこと、もう連絡しないで欲しいことを伝えた。
するとこんなメールが返ってきた。
「えーじゃあちょうど良いじゃないですか!友達ですよね?何もやましくないし、実は彼女さんとも仲良くできたらなとも思ってたし、三人で会いませんか?カフェでも食事でも。都合合わせますので!」
思ってもなかった展開である。彼女にメールを見せる。
彼女は口をあんぐりさせて驚いている。彼女もまさかの展開に目を丸くさせていた。
間抜けな顔も可愛いなーなどと呑気に思っていると、彼女が言う。
「正気なの?この子。ちょっとおかしい子なの?」
まぁ概ねオレもそう思っていると伝える。そして、
「でもさ、こんなメールきてるし、マキもこのまま放っておくのも不安でしょ?なら三人で会って喋ってみる?本当に友達なれるかもだし、色々わかることあると思うしさ?」
うーんと考えている。まぁそうだよねって思っていると
「じゃあ暇つぶしに会ってみようかな。」
マジか、これ他人事だったらよく分からん面白い展開だなーみたいに思えるのに、当事者になるとなんとも言えん。
彼女もそんな風に思ってる様子だ。
女性に彼女も了承してくれたといい、日はまた改めて合わせましょうと伝えた。
この時はまだこの先待っていることなど誰も予想だにしていなかった。
〜一章完〜
出会い⑤
するとこんな内容のメールがきた。
「仕事終わりました。今日声掛けれてよかったです。連絡先も交換できて少し有頂天になってます。笑 時間ある時にまた話せませんか?」
見ようによっては勘違いさせてしまう内容。
彼女をみる。もちろんメールを凝視している。しかしオレは何もやましくない、やましくないんだ‥。
と思っていると彼女がいう
「本当に何もなかったの?」
冷静な冷たい言い方。これガチなやつだ。しどろもどろになりながら必死の弁解。
やばいぞこれ、マジどうしよう何も思い浮かばないぞ、別れもありうるぞ逆転の一手はないだろうか。と一つ思いつく。
「あのさ、マジでなんもなくてね本当に。でね、なんだったら三人で話さない?その女性にも聞いて判断してくれない?」
ここでその女性、名前も聞いていなかったと気付く。
休憩時間だったのか慌てて交換、すぐに去ってしまったのだ。それをそのまま言う。
「ほら連絡先見て、名前も知らないんよ、何かことをしてたら、名前はさすがに知ってるでしょ?女性の休憩時間にたまたま喋っただけなんよ。」
彼女もうーんそうなのか?と、とりあえず怒りは過ぎ去ったようだ。助かった、てかなんでこんな‥
いや、美女に流され鼻を伸ばした自分があれか。
と思っていると、彼女が口を開く。
「うーん、でさっき言ってたのどうすんの?何もなさそうとは思うけど、したら三人で会うとか必要ないよね?てかそもそも会う必要ないよね?そのこと。」
まぁうんそうなんだよね、どうするかこれ
出会い④
えっ、コーヒーまで用意?あっ、ありがと。」
目がもう何か語っている。
日頃の行いか?
そこで今日あったことをそのまま伝えてしまう。すると
「はぁ?お前正気なの?馬鹿なの?美人局とかそういうのもあるかとか、私に申し訳ないとかそういうの考えなかったの?見損なった。」
ごもっともである。美女に流されてしまった。
「うっうん、ごめん。」
「で、どうすんの?」
「うっ、うーんと連絡来ても適当にに断るよ。」
「できるの?わかってるでしょーね?多くは言わないけど。」
「はっはい、あの何も間違いなど起きません、起こしません。この埋め合わせは必ず。」
しかし冷静になれば、友達なりましょー、友達だし連絡先交換しましょー。
なだけなのにこの扱いったら。
までも、シュチュエーションとか経緯があれだし仕方ないか。ほぼ婚約者だしな。
まだプロポーズとかはしてないものの、暗黙の了解というか空気というか、日頃の会話などでもこのまま結婚とお互い思っていたと思う。そんな中での今日の出来事だった。
帰宅途中にシュークリームやケーキが美味しいと評判の店により、彼女の好きなままに買ってあげた。
尻に敷かれる瞬間である。などと思っていると
携帯が鳴った。彼女の反応が凄まじい。
反応速度卓球選手かよ、てか目が怖いよ顔も怖いよ、なかなか見ることのできない鬼の形相である。そんな怒る?いうて連絡先交換してメールきただけなのに。
しかしそんなことを思っているなど、おくびにも出さずメールを開く
出会い③
「あのーたまにここらへんで猫と戯れてたりだとか、年配の方と接しているのを見かけているうちに、とても心の優しい方なんだなって。こういう人と付き合えたらなってずっと思ってて。」
もやもやした気持ちでずっといて、意を決して今日声掛けてみたんです。」
「なっ、なるほどー。」
少しの沈黙の後その女性は言う。
「友達からでもどんな関係でも構わないので、連絡先だけでも交換してくれませんか?」
参ったこんな女性にここまで言われてしまうと断る言葉が思い付かない。
だが彼女を裏切ることもできない。というかこれは裏切りになるのか?
友達ということなら許されるか?
結局流されて交換してしまう。だってこんなこと人生で経験なかったんだよー、マキー許してー友達って言ってるからー。
心の中で自が出てしまう。情けない男である。目の前の女性もそうだが、彼女も含めてどこがいいんだろうか?
連絡先を交換し、メールしますのでとこの日のうちはそのまま解散した。
とそういうことをしているうちに、彼女の仕事が終わる時間だ。
普段は家で待っているか、気分次第で駅までバイクで迎え行くかなんだが、少しの罪悪感からか車で仕事先まで迎えに行くと連絡する。
迎えに行く途中でアイスコーヒー買っていく。普段しない行動でモロバレじゃん。みたいな行動をしてしまう始末。
そうオレって嘘付けないし、まんま行動に出ちゃうし、よせばいいのに我慢できない愚かな男。
「何珍しいじゃん仕事場まで迎えにくるなんて。ありがとー。」